痛風?「足が痛い」ー姑サーちゃんの真夜中の呼び出しにこたえた話

木曜日、私は用事があって朝から夕方まで外出していた。
帰宅したら、家中グダグダだった。
夜も食事の席にお誘いいただいていたが、断って正解だったな。

体調の悪かった夫に風邪薬を飲ませ、長く私を待っていた娘とは一緒に絵を描いた。問題は姑だ。いつもより足の痛みがひどそうだった。

金曜日。姑・サーちゃんは礼拝をするのだと手足を清めるための水場まで足を引きずりながら歩いた。

お祈りが終わったあと、足が痛いと言い始めた。
いつものことだと聞き流そうと思ったが、昨日も痛そうにしていたなと足を見せてもらうことにした。

サーちゃんは右足の甲を出した。

あれ? いつもの膝から脛にかけてじゃないんだ?

これはちゃんと見たほうがいい。
顔を近づけると、甲全体が真っ赤になっていた。思わず写真を撮った。

↑右足が異様に腫れている

骨折でもしたのかと疑いたくなるほどパンパンに膨らんでいる。何か相当な炎症を起こしているように思えた。

夜、義兄が顔を出した。
足と写真を見てもらったが、「無理して動くなよな」とサーちゃんを制するだけだった。

骨折でもしたのかと疑いたくなるほどパンパンに膨らんでいる。何か相当な炎症を起こしているように思えた。

夜、義兄が顔を出した。
足と写真を見てもらったが、「無理して動くなよな」とサーちゃんを制するだけだった。

深夜、目が覚めた。
時計をみると1時48分。

もう一度寝るかと思ったとき、姑サーちゃんが足を痛がる声が聞こえた。
何度もイスラームの呪文を叫んでいる。

サーちゃんは私を呼んだ。
私は娘が起きないように注意を払って、すぐ姑のいる離れの小屋まで駆けつけた。

サーちゃんは気が狂わんばかりの痛がりようだった。
私はしばらくサーちゃんをなだめたが、なだめてどうにかなるようなものではないのは明らかだ。

どうしよう。
薬を飲んだ夫は寝かせてやりたい。
義兄もこんな時間に呼べないよ…。
薬屋は全部閉まっているし、病院に行くったって、みんな寝静まっている。

サーちゃんは「私の足、どうなっちゃうんだろう」と叫んだ。

そうか、サーちゃんは痛みだけでなく不安とも戦っているのか。
何とかして不安だけでもやわらげたい。

私は、昼間に密かにパソコンでこの症状について調べ、痛風じゃないかと見当をつけていた。

もし痛風なら病院で検査をうけて、適当な薬をもらえば痛みは軽減する。

サーちゃんは病院嫌いだが、この痛がりようを放っておくわけにはいかない。何より、見ている私が辛かった。

一か八かで声をかけた。
「お母さん、明日、検査にいこう。原因がわかってお薬をもらえば痛くなくなるから。」

案の定、サーちゃんは首を縦に振った。
痛くなくなる、の言葉が効いたに違いない。

よし。

私は心の中で小さくガッツポーズをした。

サーちゃんは、みどりももう寝なさいと言った。

よしよし、やっと眠れる。

そう思いきや、2時半ごろに再び呼ばれ、また同じようなやりとりをした。

「明日は検査にいこうね、ね」
心から気の毒に思ったが、どうにもしてやれない。
お母さんが眠れたらいいのに。
「痛みがなくなって眠れるようお祈りしてるね」というのがやっとだった。

その後もサーちゃんはうめき声やお祈りの言葉を発していたが、明け方4時過ぎには眠った。

私はこの深夜の自分は頑張ったと思う。

もっともっとできたことはあるのかもしれない。
だけど、自分のなかのベストは尽くした。
なるべく優しい言葉をかけたぞ!

姑が死ぬか私が死ぬか、どっちかだー。
そんなふうに思いつめていた嫁姑バトルの日々から、私と姑の関係は少しずつ少しずつ少しずつ…よくなってるよね、ね、ね?

誰が褒めてくれるわけでもないから、ここに残しておこう。
ときどき読み返して「よく頑張ったね」と自分に言ってあげるんだ。

※この記事は、noteに 2019年11月3日初出したものです(noteアカウント不調のため移動)

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